ドイツの図書館事情

By editor

8月の3週間と数日を利用してヨーロッパへ行ってきました。今回はベルリンとミュンヘンの図書館事情についてご報告します。

久しぶりの投稿です。
8月の3週間と数日を利用してヨーロッパへ行ってきました。今回はベルリンとミュンヘンの図書館事情についてご報告します。

報告者の専門が近現代美術なので、美術系の本を多数扱っている図書館へ足を運ぶことが自然と多くなります。
ミュンヘンでは美術史中央研究所(Zentralinstitut für Kunstgeschichte)、ベルリンでは国立美術図書館(Staatsbibliothek zu Berlin)、ベルリン芸術大学の図書館(Universitätsbibliothek der Universität der Künste Berlin)やフンボルト大学の中央図書館(Zentralbibliothek im Jacob-und-Wilhelm-Grimm-Zentrum)などへ行ってきました。

本来はベルリンの図書館で済む予定だったのですが、アスベスト問題が発生し、1950年以降に国立美術図書館に入荷された本を一冊一冊調べるそうで、それらの書籍は基本的に11月まで使用できないというニュースを聞き、急遽ミュンヘンの図書館にも足を運ぶことになりました。

ミュンヘンの美術史中央研究所図書館を訪れて驚いたのが、開架資料の多さ、使いやすさ、スキャナーの性能の良さ。日本で西洋美術の書籍を探す時はまずは美術図書館横断検索 (Art Libraries`Consortium)を使用しますが、欲しい本が東近美や国立新美や都現美など散在していることの方が多く、文献を手に入れるのに時間がかなりかかることがあります。しかし、この美術史中央研究所図書館といったら!欲しいものがざくざく出てきます。お宝の山を掘り当てた気分でした(もちろんこれは利用者のテーマによります)。

さらに驚いたのが、スキャナーです。巨大なスキャナーで真上から文献をスキャンします。1枚にかかる時間は2秒弱。それをその場でPDFファイルとしてまとめ名前を付けてUSBメモリースティックに保存します。いままでは紙のコピーでは時間もお金も場所もかかり、部屋中にプリントが溢れるということが少なくなかったですが、このようにスキャン後即ファイリングが出来ると、持ち運びにも整理にも大変便利です。恐らくこの新しい制度のお陰で、帰国便の重量オーバーを免れることができたのでしょう。集めた資料が凡てプリントだったら、かなりの加算金を払っていたことでしょう。。。

スキャナーが導入されているのは、ミュンヘンだけでなくベルリンの大学図書館、国立図書館もそうでした。特に2009年に新しくオープンしたばかりの、フンボルト大学のヤーコブ&ウィルヘルム・グリム・セントラム―フンボルト大学中央図書館(Zentralbibliothek im Jacob-und-Wilhelm-Grimm-Zentrum) では、各階にスキャナーとコピー機があり、食堂用の電子マネーカードで支払いをします。ここは8時から24時まで開いているし、大変便利でした。

ささやかな驚きとしては、ベルリンの大学図書館のロッカーが、以前はコイン式だったりボタン式だったのですが、おしなべて南京錠式になっていたことです。利用者は常にマイ・南京錠を持参しなくてはなりません。なので、出かけるときに南京錠を常に鞄に潜ませておりました。

図書館を使いこなせるかどうかが、特に文系の学生の命運を分けるとさえ言えるかもしれません。東大の図書館は全館を合わせた蔵書数は850万冊を超え、確かに凄い量ですが、分散しているのが難点でもあります。最近はキャンパス間の貸し借りを窓口で出来るようになり随分と便利になりました。しかし、自分の足で図書館を歩き回る楽しみは減ってしまいます。統合するのが無理だとしても、せめて性能の良いスキャナーが導入されることを願います・・・。